Quanta 2Q26:単四半期売上が初の NT$1 兆突破、EPS も過去最高

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白背景にブランドカラーの深緑 #7CB342 を基調とした表紙画像。左上に小さな文字で『Quanta 2382.TW — Q2 2026』、その下に最大級の深緑の文字で『REV NT$1.04tn』とサブ見出し『first quarter over NT$1 trillion』。中段左側に黒字で『EPS NT$7.43 record』、グレー字で『+28.1% QoQ +105.6% YoY』、右側に深緑で『GM 5.02%』と『first up in six quarters』。下部には緑色の棒グラフが並び、4Q24 から 2Q26 までの四半期売上を示し、2Q26 が深緑で強調され『NT$1tn milestone』と記された点線を突破しています。

台湾勢で初めて単四半期売上が兆を突破した四半期このセクションへのリンク

Quanta Computer (2382.TW) の 2026 年第 2 四半期は、一つの心理的な節目を踏み越えました。単四半期売上 NT$1.04 兆(正確には NT$10,366 億)は、台湾の電子受託製造業で史上初めて、単一四半期に兆を突破した数字です。QoQ +28.1%・YoY +105.6%、1 年で 2.06 倍になりました。

さらに記憶しておくべきは、これが売上の数字だけの花火ではないことです。会社は自ら「四つの最高」で今四半期を総括しました——売上・粗利・営業利益・EPS がそろって過去最高です。EPS は NT$7.43 で単四半期として Quanta 史上最高、QoQ +35.1%・YoY +70.0%。当期純利益(親会社帰属)は NT$286.5 億で、QoQ +35.2%・YoY +69.9% でした。

Quanta の過去 8 四半期の売上(緑色の棒)と粗利益率(オレンジの線)の推移。2Q26 の売上 1,036.6 十億元が NT$1 兆の点線を突破し、粗利益率は前期の 4.78% から 5.02% へ反転
Quanta の過去 8 四半期の売上(NT$ 十億、棒)と粗利益率(%、折れ線)。2Q26 に売上が初めて NT$1 兆に乗り、粗利益率も 6 四半期続いた低下から初めて 5.02% へ反転しました。出典:Quanta Q2 2026 決算説明会。

振り返れば、この決算は前期の取引の回収です。今年第 1 四半期、Quanta は AI サーバーの出荷量を獲るために、あえて粗利益率を 4.78%(15 四半期ぶりの低水準)まで下げました。今四半期は同じ量にラック単価の上昇が加わり、利益を一気に過去最高へ押し上げたのです。

粗利益率が 6 四半期ぶりに反転、これこそが本当の転換点このセクションへのリンク

この決算を一つの数字だけで読むとすれば、それは兆超えの売上ではなく、粗利益率 5.02% です。

Quanta の粗利益率は 2024 年の 8% 台から、前期の 4.78% まで 6 四半期連続で低下してきました。市場が最も恐れていたのは、「AI を大きくやるほど粗利益率が薄くなる」現象が、二度と戻れない構造問題になってしまうことでした。今四半期の 5.02%、QoQ +0.24 ポイントは、6 四半期ぶりの下げ止まりと反転です。経営陣の説明はこうです。GB200 から GB300 への製品切り替えが一段落し、ハイエンド AI ラックによる粗利益率の希釈が「徐々に収束」しつつあり、加えて試作や歩留まり学習に伴う一時費用が和らいだ、と。

営業利益率も 2.85% から 3.30%(QoQ +0.46 ポイント)へ改善し、営業利益は約 NT$342 億、QoQ で 48% 近い増加となりました。費用の増加が約 15% にとどまり、粗利金額の増加 35% を大きく下回ったため、オペレーティングレバレッジが明確に効いています。

ただし水準は冷静に見る必要があります。5.02% は前年同期の 7.04% を依然として大きく下回り(YoY −2.02 ポイント)、原因はやはりあの高価で重い AI ラックです。高単価の GPU 部材が売上に計上され、分母を機械的に膨らませます。したがって今四半期の正しい読み方は「底は過ぎた、方向は正しい」であって、「粗利益率はもう回復した」ではありません。

AI サーバーはすでに Quanta の主軸、全体売上の 3 分の 2 に迫るこのセクションへのリンク

今四半期の構造も同じ方向へ進んでいます。サーバーが売上の約 83%、ノートブックは約 13% まで低下しました。

Quanta の売上構成の積み上げ図。2Q25 のサーバー 70%・ノートブック 23% から、2Q26 のサーバー約 83%・ノートブック約 13% へ変化し、上部の菱形が AI サーバーの全体売上比が約 64% へ上昇したことを示す
Quanta の売上構成と AI サーバー比率:2Q25 → 2Q26。サーバー比率は約 83% へ上昇し、AI サーバー単独でも全体売上の約 64%(推計値)を占めます。出典:Quanta Q2 2026 決算説明会。セグメント別金額は会社基準に基づく推計です。

サーバーの内訳では、AI サーバーがサーバー売上の 75〜80%(上期のレンジ)を占め、会社は通年 80% の目標を維持し、下期のさらなる上昇を見込みます。この比率を兆超えの売上に当てはめると、今四半期の AI サーバーの単四半期売上はおよそ NT$6,650 億(推計値で誤差レンジは大きめ)となり、全体の 3 分の 2 近くに相当します。この事業一本だけで、台湾株の上位に食い込む規模です。

プラットフォーム世代では、GB300(NVIDIA の現行最新の高密度ラックで、NVL72 は 1 ラックに 72 個の GPU を集積する高統合設計を指します)が今四半期の出荷主力でした。GB200 も引き続き出荷され、顧客は「両方欲しい」状況です。経営陣はプラットフォームの切り替えを「スムーズ」と表現し、新旧の交代の空白は 1〜2 か月にすぎず「大きな穴はない」としています。次世代の Vera Rubin(VR200 NVL72) はテストと検証がほぼ完了し、ラックは第 3 四半期から引き渡しが始まり、年末までに本格的に売上へ貢献する見通しで、バトンタッチの段取りはすでに整っています。

顧客の裾野も広がっています。上位 5 社のクラウドサービス事業者(CSP)が引き続き AI サーバー売上の主力ですが、Quanta は NeoCloud(新興の GPU クラウド事業者)向けの GPU サーバーや、CSP 向けの ASIC(カスタムチップ)サーバーも少量ながら出荷し始めており、経営陣は「顧客の供給源はさらに多様になる」と述べています。ASIC は現時点で AI サーバー売上の 10% に満たず、今後追うべき領域です。

EPS NT$7.43:半年で資本金を上回る利益このセクションへのリンク

Quanta の過去 8 四半期の EPS 棒グラフ。2Q26 は深緑で示され NT$7.43 に達し、単四半期の史上最高で、QoQ +35.1%・YoY +70.0% と注記
Quanta の過去 8 四半期の EPS。2Q26 の NT$7.43 は単四半期として史上最高で、QoQ +35.1%・YoY +70.0% です。出典:Quanta Q2 2026 決算説明会。

第 1・第 2 四半期を合わせると、上期売上は NT$1.85 兆で YoY +86.5%、当期純利益(親会社帰属)は NT$498.4 億で YoY +37.1%、EPS は NT$12.93。半年で 1 株あたり額面(NT$10)を上回る利益を稼いだことになります。6 か月の売上は、昨年通年の NT$2.12 兆のすでに 87% を食っています。

決算説明会の要点:設備投資の上積み、2028 年までの可視性、委託販売の開始このセクションへのリンク

今回の決算説明会(8/13 引け後、モルガン・スタンレー主催)で市場を本当に動かしたのは、今後 2 年に対する経営陣の姿勢でした。

通年の設備投資は NT$300 億から NT$400 億へ上方修正され、一気に 3 分の 1 上積みされました。これが今回最も注目されたシグナルです。上期にはすでに NT$218 億を投じ、その 8 割以上が米国カリフォルニア工場とタイ工場に充てられています。関連する動きとして、7 月に取締役会が NT$197 億で AU Optronics の華亜工場(桃園・亀山)の取得を可決し、2027 年第 4 四半期に引き渡し、2028 年以降の受注を支え、台湾の後工程 AI 組立能力をおよそ倍増させます。8 月には米国子会社に 9.73 億米ドル(約 NT$318 億)を増資し、カリフォルニアの生産能力を拡張しました。2025 年末比で AI サーバー生産能力を年末までに倍増させる目標は据え置きです。

Quanta の設備投資の棒グラフ。1Q26 が 8.1、2Q26 が 13.6、上期合計 21.8 十億元で、FY26 ガイダンスは点線枠で示された旧値 30 から 40 十億元へ上方修正
Quanta の設備投資の推移と FY26 ガイダンス。第 2 四半期は NT$136 億、通年ガイダンスは NT$300 億から NT$400 億へ上方修正されました。出典:Quanta Q2 2026 決算説明会。

経営陣は今回の設備投資の上方修正を「力強く、予測可能で、可視性の高い顧客需要への対応」と位置づけ、市場が懸念する AI 需要の減速は見られないとしています。受注の可視性は 2028 年まで延伸し(前期の表現は「2027 年以降」)、顧客はすでに 2027〜2028 年の生産能力と電力供給の計画を議論しており、CFO の楊俊烈氏は今後 2 年について「非常に強気だ」と率直に述べました。

もう一つの構造的な動きが**委託販売(Consignment)**です。第 3 四半期から、一部の AI サーバー案件の高単価部材(GPU も ASIC も対象)を買い取りから切り替え、顧客が部材を供給し、Quanta は組立とテストのみを担います。これは 2 つのことを同時に和らげます。高単価部材による粗利益率の希釈と、GPU を先に立て替えて買う運転資本の負担です。顧客とはすでに合意済みですが、現時点の比率はまだ低く、段階的に実現していく好材料です。

ノートブックは、今四半期の出荷台数が QoQ +15% と予想を上回りました。メモリの値上げ前に顧客が前倒し調達した結果です。ただし下期は慎重に転じ、第 3 四半期の出荷は自社で 2 割超下方修正され、通年でも 2 桁の YoY 減少が見込まれ、「繁忙期なのに振るわない」状況です。これはこの決算のなかで数少ない弱点であり、メモリコストに最も敏感な事業でもあります。

市場の反応:好材料出尽くし、それでも継続保有このセクションへのリンク

機関投資家は総じて強気を維持しつつ、粗利益率を注視しています。決算前の市場コンセンサス目標株価は NT$390 台前半(FactSet の 22 名のアナリストの中央値は約 NT$394)でした。モルガン・スタンレーは Overweight を維持し目標株価は約 NT$385 ですが、ODM グループのなかでは Wistron を選好します。ゴールドマンは Wiwynn を「旧世代 AI」の第一候補に挙げ、Quanta には相対的に慎重で、理由はいずれも同じ一点——Quanta の粗利益率の構造が同業のなかで割り引かれている、を指しています。同日に決算を出したホンハイと Wistron はともに Quanta より株価が強く、前期から続く「Quanta 出遅れ」の構図が維持されました。

今四半期の読み解きこのセクションへのリンク

第 1 四半期の Quanta が「粗利益率をスケールと交換した」のだとすれば、第 2 四半期はその取引が回収に入った四半期です。規模は兆超えまでさらに拡大し、粗利益率は同時に下げ止まって反転し、EPS は最高を更新しました。この 3 つが同じ四半期に起きたことが、この決算の最も見事な点です。

本当の問いは下期に残されています。委託販売の開始で粗利益率を持続的に押し上げられるか、Vera Rubin が GB300 を切れ目なく引き継げるか、ノートブックの下方修正が想定を超えないか。この 3 つの変数が、Quanta が「底は過ぎた」の物語を、本当に「粗利益率が回復する」物語へと育てられるかどうかを決めます。第 3 四半期の決算説明会(11 月)の粗利益率の数字が、最初の検証ポイントになります。

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